<和訳>
Lesson7-A
砂利道に沿って私たちが歩いていると、他の墓から離れて立っている一つの墓に目がいった。その墓のてっぺんの十字架は他の墓の十字架とは見かけのいくつかの点で著しく違っていた。他の墓全てに花飾りがかけられている一方でこの十字架にはなにもついていなかった、しかもなお一層並外れたことにその墓には名前が刻まれていなかった。その牧師は私が墓を見るために立ち止まったのを見て首を振り溜め息をついた。
あなたと同じ故郷の人がそこに埋葬されているのです、と彼は言った。「私は彼の臨終に立ち会いました、くたびれるような長い年月の間この町に彼は私たちの間で大きな悲しみという重荷を背負っていました。彼の行いは私たち全ての心に彼を尊敬し彼を憐れむということを教えてくれたのです。」
彼の名前が墓に刻まれていないというのはどういうわけですか、と私は尋ねた。彼自身の希望によって隠されたのです、牧師は少し口ごもりながら答えた。「彼は臨終際してここでは偽名で暮らしてきたのだと私に認めました。私が彼に本名を尋ねると彼は自分の悲しい物語の詳細と共に実名を話してくれました。彼は自分の死後に忘れ去られたいと願う理由があったのです。彼が話した最後の言葉はほぼこうでした、『名前は私と共に葬ってください!』。彼の最後の願いは、私がその名前を世間から秘密にしておくということでした。ただ一人の人物を除いて。」
「私が思うに親戚のどなたかでしょうね。」
「そうです。甥子さんです。」
最後の言葉が彼の口から出た瞬間、私の心臓が牧師の最後の言葉に応えるかのように奇妙にどきんとした。私はまた顔色が変わったに違いないと思う、というのも教区牧師が急に注意と興味をもって私を見たからである。
「甥子さんを、」牧師は続けた、「墓に眠っている彼は自分の子どものように愛していました。もしもこの甥子さんが彼の埋葬地を探しだし彼のことについて尋ねるようなことがあれば、私が知っていることの全てを自由に明かしてよいと彼は話しました。
私は私の可愛いチャーリーには真実を知ってもらいたい、と彼は言いました。「年齢の違いにも関わらずチャーリーと私は昔から遊び友達だった、と。」
死にかけている人の最後の言葉を伝えている際に牧師が私の洗礼名を無意識に口にしたとき、私の心臓はより速く打ち鳴り、そして喉が詰まるような感じがした。
私は声を落ち着かせ、自分の冷静さが確かだと感じられるようになるとすぐに私は自分の家族の名前を伝え、それが彼が守るように求められた秘密の一部でないかを牧師に尋ねた。
牧師はびくっとして数歩後ずさり、驚いて両手を握り合わせた。
「まさかこんなことがありうるのだろうか?」顔に恐怖に似たようなものを浮かべ真剣に私を見つめながら低い声で言った。
私はパスポートを牧師に渡し、その墓の方を見た。過去の思い出が押し寄せると涙が目に溢れてきた。自分が何をしているのか分からないまま墓の側に膝まずき、墓に生えている草を撫でた。あぁジョージおじさん、なぜあなたは昔からの遊び相手に秘密をずっと話さなかったのですか。なぜあなたをここで見つけさせるようにしたのですか。
牧師は私を優しく立たせた。そして私に家へ一緒に来るよう頼んだ。そこへ行く途中、私はおじが話したかもしれないと思われる人や場所の名を挙げた、自分が本当に自分自身がこうであると表現した人物まさにその人であると牧師を納得させるために。彼の家の小さな応接間に入りそしてそこに二人きりで腰をおろすまでには、私たちは昔からの友達のようになっていた。
Lesson7-B
私はジョージおじさんと、彼が家から失踪したことにここ(=この話の中)で(読者に)話してきたこと全てを話すことから始めるのが一番良いと思った。主人(=牧師)はとても悲しそうな顔で話を聞き、そしてこう言った。
「私があなたに話すようジョージおじさんに委ねられていることを知りたいという苦しみは分かります、ですがもし私が最初に言うのならば私をお許し下さい。おじ様の話の中にはもしあなたが聞いたら苦しむかもしれないということを。」彼は突然口をつぐんだ。
「もし私が聞いたら私を苦しめる、とは甥としてですか?」私は尋ねた。
「いいえ。」牧師が私から目をそらしながら言った。「いいえ。息子としてです。」
私は連れの警告で助長された繊細さや思いやりの本心を喜んで表現した、しかし同時に私は、聞き手として私にどんなにつらい影響を及ぼそうとも、どっちつかづの状態にしないで厳しい真実を私に話すように彼に頼んだ。
「あなたが家族の秘密と呼んだもののことについて、知っていること全てを私に話した時、」牧師は言った。「あなたはお姉さんの死とおじさんの失踪が同時に起こったという奇妙な一致として言及しました。あなたはお姉さんの師を招いたのは一体どんな原因だったのか疑ったことがありましたか。」
「私は父が私に言ってくれたことと我々の友達が信じていたことのみ知っています。つまり、彼女は首の腫瘍で死んだのですか?首の腫瘍の性質の影響で死んだと聞きました。」「彼女はその腫瘍を摘出する手術で亡くなったのです。」牧師は低い声で言った。「そしてその手術者はあなたのおじ、ジョージさんでした。」
そのたった2,3語で真実のすべてが急に分かりはじめた。
「彼の生涯の長い苦難は過ぎ去っているという思いでご自分を慰めてください。」牧師は続けた。
「彼は永眠している、平安の内にいるのだ。彼とその愛しい人(=姉:キャロライン)はお互い分かりあっている、そんな思いが最後まで彼を支えたのです。彼はいつもあなたのお姉さんを愛しい人として話していました。彼はあの世で自分を慰めてくれるために待っているのだと信じていました、そして彼はそう信じることを裏切られたと一体誰が言うだろうか。いや僕は絶対に言わない。愛し、そして苦しんだことがある人ならばそうは言わないだろう、きっと。
Lesson8-A
私が森に行ったのは、思考深く生活し、生活の本質的な事実だけに面と向き合い、そして私は生活が持っている人に教えることを学べないかどうかを確かめたかったから、死ぬときになって自分は生活していたということを発見したいからである。私は生活とは言えない生活を送りたくはなかった、生活するということはそれほど愛しいのだからよほどの必要がない限り私はあきらめたくなかった。私は深く生活して生活の追随を吸いつくし、生活とは言えないものすべてを敗北させるほどしっかりと、スパルタ人のように厳しく生活し、広く草を地面近くまで刈り取って、すみまで生活を追い込みたい、一番の最低条件(=限界)まで生活を落としたい、もし生活が卑しいものであることを証明したら、そのときは生活の真の卑しさをすべて手に入れたい、そしてその卑しさを世間に公表したい、あるいは、もし生活が崇高なものであるとしたら体験によってその崇高な生活とやらを私は知りたい、その崇高な生活を与えることができるならそうしたい、次の私のエッセイの中でその崇高な生活についての真の説明をたいていの人はほとんどの人の生活が悪の性質を帯びているのか、または神の性質を帯びているのか妙に確信がなく、幾分性急に神を讃えて、永遠に神の恩恵を享受することがこの世での人間の主目的であるのだと私には思える。
Lesson8-B
十分に読むこと、すなわち本物の本を紋ものの精神で読むことは気高い修練である。今日の習慣が尊重するどんな修練よりも読者に負担をかけるものである。それはスポーツ選手が経験するような訓練を必要とする。そしてほとんど全生涯にわたってこの目的に向けたゆるぎない意志を必要とする。本はその本が書かれたときと同じように思慮深くそして慎重に読まなければならない。本が書かれた言語を話すことができたとしても十分ではない。なぜなら、言語を話すことと書くこと、また聞くことと読むことの間には記憶に値するほどの大きな隔たりがあるからである。
話し/聞き言葉は通常一時的なもので、音や話しぶり、単なる方言などはほとんど獣のようなもので私たちはそれを動物のように我々の母から無意識のうちに学ぶ。書き/読み言葉というのは話し言葉が熟して経験を経たものなのだ、もし話し言葉が我々の母の言葉なら書き言葉は父の言葉であり、耳で聞くにはあまりにも意味深くそれを話すためにはまた生まれ変わらなければならないほどとっておきの選ばれた表現なのだ。
Lesson9-A
私は書き手が自分が言わんとすることを理解させるための努力を読者に求める作家に対してあまり我慢したことはない。最も理解しがたい思想でさえも明快に表現することは可能だ、ということを分かるためには偉大な哲学者のところに行きさえすればいい(=哲学者たちの本を読みさえすればよい)。しかし少しでも教育を受けたものならば、各文の意味が正確に何であるのか正確に理解できる。バークリー以上に難しい英語を書いた人はごく少ない。作家に見られる“難解さ”には2種類ある。1つは怠慢によるものであり、もう1つは故意によるものである(→わざと易しく書かない)。なぜならば、明瞭に書くことを学ぶ手間を取らなかったからだ。この種の難解さは現代の哲学者のなかでさえ非常にしばしば見出される。偉大な文学習得の研究に人生をかけた人ならば、美しいとは言わないまでも、少なくとも明解さをもって文を書くことには十分敏感だとあなたはおそらく思ったことだろう。しかしあなたは文芸批評家たちの著書の中に、意味を理解するために2回は読むべき文を次々発見するだろう。あなたはその意味を推測することしかできない。それは著者が自分が言わんとすることをその通りに書かなかったからである。
Lesson9-B
恋愛では、異性と交際の節約を行うべきである。誰も永遠に愛することはできない。もし恋愛の満足に対する障害があるとしたら愛情はより強くなり、より長く続く習性がある。もし恋する人が愛の享受を相手の不在や相手に近づくことの困難やあるいは最愛の人の気まぐれや冷たさにとって妨げられるとき、恋する人はいずれ彼の願望が満たされたときその喜びは強烈だろうという想いの中にわずかな慰めをみつけるのだ。愛というのはそういうものなので、もしそのような障害物がなければ彼は慎重さを考慮することに注意しなくなってしまう。そして彼への罰は飽き飽きすることである。最も長く続く愛というのは決して愛し愛されることのない愛である。
Lesson10-A
その結果、それぞれがひそかに自分こそが天皇に選ばれたいとひそかに思っている宮殿の貴婦人たちはその自分たちの夢を追い散らした成り上がり者を軽蔑と憎しみの目で見ていた。
それゆえ宮殿での彼女の地位は優勢であったにもかかわらず、彼女を絶え間ない嫉妬と悪意にさらした。些細な悩みで神経をすり減らしてしまったので彼女は衰弱しとても憂鬱になって頻繁に実家へ引きこもるようになった。彼女はもはや健康でも快活でもないので彼女には飽きたかというと決してそうではなく、日ごとにさらに優しくなり、天皇をたしなめる者に対してもっとも小さな留意でさえ払わなかった。ついに彼の振る舞いは国中の噂になった。上達目や天上人でさえもそのような無分別な愛情を横目で見始めた。彼らは海のむこうの国(=中国)でそのような出来事は暴動、災難を導いたとささやきあった。実際すぐにこの国の人々も不満を見せるようになった。中国の玄宗皇帝の愛人である楊貴妃に彼女のことをなぞらえる者もいた。しかしこの不満にもかかわらず彼女の主人の愛という庇護の力があまりにも大きかったため彼女をあえて公然といじめる者は誰もいなかった。
7-A
1. 彼はドイツ流に習って子どもたちを育てたくて、学校でドイツ語を習わせた。
2. 彼をそんなに興奮させるものは一体何だろうか。
3. 侵略されたときクウェートはすぐ支援されている国々に救援された。
4. 彼は目を閉じ口を開けておなかの上に両手を置いて腹痛の子どものように藁のマットの上に横たわっていた。
5. 若い学生たちは困難に直面しなければならないことを知っているにもかかわらず、難しい科目を選ぶものだ。
6. 彼は犬のように家から蹴り出された。
7. 私が帰ってくるまでに必ずこれを終えてしまいなさい。
7-B
1. 彼はその手紙を知らないと言った。
2. どんなにあなたが一生懸命試しても、他人の助けなしには失敗することになる。
3. あなたの周りの世界を見渡しなさい。そして見てみなさい、あなたの仲間に心の平和と静寂、そして安全と尊さをもたらしたのはいったいどんなものなのかを。
4. ジャクソンは自分の言っていることが聴衆に影響を与えているのを感じるにつれ、さらにいっそう力強く力説する。
8-A
1. 退役陸軍大将のコリン・パウエルは大統領に立候補しようと思ったことは一度もないと言った。
2. 多くの人々が持っている有名人に会いたいという感情に私はしばしば不思議に思う。
3. 私には飼ってくれる家を探している子犬が2匹います。
4. これは学校が持っている生徒に与えるための最も厳しい罰の1つだ。
5. 作家は誰でも自分の主張は真実であり、それは真実として受け入れるべきだと読者に確信させることを目指している。
6. 再び陸地にいることがそれほど嬉しかったのでかれらは地面にキスさえした。
7. 何か新しいことがない限り、あなたは私に手紙を書く必要はありません。
8. もしあなたがケイトに話すべきだと思うならそのときは彼女に話しなさい。
9. というのは私自身の旅はどんなに長く回数が多いとしてもこの偉大な旅行者の偉大な行動、わくわくする冒険に比べるときいつも私自身の旅が色あせてしまうからである。
10. あなたの出発のためにすべて準備が整うように取り計らいましょう。
8-B
1. 普通の大人の場合、血管形成はまれな出来事であるだけでなく、傷を癒やすというような、特別な状況をのぞいては細胞が阻止しようと懸命になることである。
2. 第二次世界大戦は、それまでに世界が一度も経験を通したことがないような経験だった。
3. 仕事と遊びは健康にとって両方必要である。仕事は我々にエネルギーを与え、遊びは我々に休息を与える。
9-A
1. 時間の経過は最も強い悲しみでさえ和らげる。
2. 人間の行動は理性の力によって支配され、動物の行動は本能の力よって支配される。
3. A「昨夜あなたに誰かから電話がありましたよ。」
B「おそらくジェレミーだったのでしょう。」
4. 私は上手ではないにせよ、少なくとも熱心な運動選手だ。
9-B
1. 愛は人をありのままの姿として受け入れる。
2. 経済の現状がこうなので消費税率を上げるのにそれほどいい時期ではない。
3. もし万が一明日雨が降ったら試合は中止になるであろう。